指の紋章
STORY
科学捜査の王道「指紋鑑定」、そのルーツは明治の日本にあった!
歴史マネー小説の名手として知られる渡辺房男氏が、
本作品で本格派の歴史ミステリーに初挑戦しました。
これまでの著作で高い評価を得ている徹底した時代考証により、
「フィクションは思えない…」「この時代に本当にあった事件では…」
と思わせる作品に仕上がっています。
明治20年暮れ、内藤新宿の宿屋にて殺人事件が勃発。宿泊客が殺され大金の入った財布が盗まれた。
刑事の武内は、状況証拠から宿の番頭を逮捕したが、裁判で弁護人は、包丁に残された指紋が被告人のものではないことを示し無罪を主張。裁判官、検事、刑事も初めて見聞きする指紋という物証。それによって個人が識別できる、いわば一人ひとりの紋章だという。以後、事件は指紋を中心に動いていくが…
著者プロフィール
渡辺 房男
1944年、山梨県甲府市生まれ。
東京大学文学部仏文科卒。
NHK在職中の1999年、
「桜田門外十万坪」で第23回歴史文学賞、
「指」で第18回世田谷文学賞。
2001年には「ゲルマン紙幣一億円」で
第15回中村星湖文学賞を受賞。
主な著書に
「円を創った男 小説・大隈重信」
「儲けすぎた男 小説・安田善次郎」
「日本銀行を創った男 小説・松方正義」
「脱税許すまじ」「命に値段つけます」
「インサイダー」などがある。